1.創立日朝協会は1950年から53年にかけて行われた、朝鮮戦争に反対する国民的な運動の中から、1955年11月に結成されました。目的は規約第2条に示すように「日本と朝鮮両民族の理解と友好をふかめ、相互の繁栄と平和に貢献すること」です。ここでいう「朝鮮」とは朝鮮半島全体、朝鮮民族全体をさしています。(以下、「朝鮮」とは南北を含む言葉とします。)日朝協会はこの目的に賛同し会費を納める個人や団体なら誰でも入れる、全国的な市民団体です。2010年には全国組織結成50周年を迎えました。 2.主な活動日朝協会はその目的を達成するために、主として次のような運動を行ってきました。1 日本と朝鮮半島の平和を守り、再び不幸な歴史をくり返さないために(1) 軍事境界線によって分断されている、南北の自主的、平和的統一を支持する運動。(2) 不平等な日韓条約(1965年6月22日締結)に反対する運動。 (3) 朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)との平和5原則をふまえた国交を正常化し国交関係を樹立すること。 (4) 在日・韓の米軍を撤退させ、日本と朝鮮半島から核兵器全面廃絶を目指すこと。 (5) 朝鮮に対する植民地支配や強制連行、日本軍「慰安婦」などへの戦後補償を行うこと、そのための学習会や宣伝、裁判闘争を支援すること。 (6) 金大中氏拉致事件の原状回復と、死刑反対の運動。 2 在日韓国・朝鮮人の人権を守るために(1) 日本に渡った多くの朝鮮人の、強制連行や強制労働の問題などの戦後補償を実現する運動。(2) 在日韓国・朝鮮人への健康保険や年金の適用、公営住宅への入居、就職差別廃止など、在留権をはじめ、基本的人権を守る運動。 (3) 朝鮮人学校など在日朝鮮人の民族教育の権利を守る運動。 (4) 在日朝鮮人学生に対するいやがらせや暴力に反対する運動。 (5) 外国人登録法の指紋押捺や常時携帯義務などの改正を進めてきました。引き続き改善を目指す運動。 (6) 在日永住外国人の地方参政権を立法化させる運動。 3 会員の要求にこたえるために(1) 朝鮮の歴史や地理、風習や料理などの、関心の高まりに応える学習会や、韓国旅行・史跡めぐりなど。(2) 韓国の各界、各層、各分野の人々との交流。 (3) 日本の教科書を歪曲しようとする右翼的動きに反対して、歴史の真実を正しく知る運動。教育研究活動の交流。 (4) ハングル講座の開設。 毎年3月1日前後には「3・1独立運動記念集会」を、9月1日には「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式」を行っています。 3.日朝協会の特徴について日朝協会は、日本の朝鮮植民地支配と侵略戦争に、生命がけで反対して闘った、日本人の中の良心的・進歩的な人びとの伝統を受けついで結成された団体です。そして、外国の言いなりになるのではなく、日本人の立場に立ち、自主・平等・内部問題不干渉の国際友好運動の原則を、しっかりと守ってきたことに誇りをもっている団体です。北東アジア数千年の歴史を見るまでもなく、朝鮮半島はたえず周辺大国による侵略との闘いの歴史でした。朝鮮の南北統一なしには、北東アジアの真の平和と安定を達成できません。それは朝鮮民族だけの問題ではなく、アジア諸国民全体の問題です。 みなさんが私たちの運動に深い理解をいただき、相互理解と交流、共通する課題での共同行動の発展を心から期待しています。 (2003.1.制定 2004.3改定) |