日朝協会の声明・談話など


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2005-06年

2002〜2004年


2004年

談話

1. 日本政府は12月24日、安否不明の拉致被害者に関し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から提示された情報・物証の精査結果を発表した。そして25日には北朝鮮側に伝達した。

1. 政府の精査結果は、「8人死亡、2人は入国せず」とした北朝鮮の説明を「裏付けるものは皆無」としたうえで、特殊機関の存在が真相究明にとって大きな障害になっていると指摘。北朝鮮の調査委員会による本件再調査は、信頼性を欠くとして、金正日・国防委員長自身が行った約束を自らの責任と関与で誠実に履行することを強く要求している。

1. 横田めぐみさんの「遺骨」が鑑定の結果、他人のものであることが判明したが、これは人道上も言語道断であると言わなければならない。また、「特殊機関」について言えば、2002年9月17日の日朝首脳会談で、金正日・国防委員長が「特殊機関の一部が妄動主義、英雄主義に走ってこういうことを行ってきた」と述べている。このことからも「特殊機関」は、現に存在する機関であることは明瞭である。

1. われわれは、北朝鮮が今回の日本政府の精査結果の真剣な検討を強く要求する。

1. 日本政府は、北朝鮮の交渉担当者を「特殊機関」に対しても十分な権限を持ち真相究明を進めることのできる人物をあてるよう、北朝鮮側に強く要求し交渉の局面を打開する必要がある。

1. 経済制裁の促進が煽られているが、真実を求めて北朝鮮側と粘り強い交渉を続けるべきである。

1. 拉致事件をはじめ北朝鮮の数々の無法行為が、いわゆる「北朝鮮脅威論」をつくりだしている。そして、日本国民の反朝鮮感情を高め、日本の反動勢力の軍国主義の復活強化に絶好の口実を与えていることは、きわめて遺憾である。

こうした事態が生じると、在日朝鮮人への迫害や圧迫が強まることが過去の経験が示している。われわれは、国民に冷静に良識ある行動をよびかける。

2004年12月27日
日朝協会 代表理事 吉田博徳

談話

1.今回の小泉首相と金正日国防委員長との会談で、2002年9月17日に調印された「日朝平壌宣言」が、日朝関係の基礎として再確認され、日朝国交正常化の促進を確認したことは重要である。
 また、会談の中で、拉致問題や核・ミサイル問題、人道支援問題について合意されたことは積極的な意義をもっている。
 こうした確認事項や合意事項を心から歓迎するものである。

1.拉致事件に関しては、地村、蓮池ご夫妻のご家族が、小泉首相一行とともに帰国されたことを率直に喜ぶものである。
 曽我さんのご家族については、適切な形で家庭生活が営むことができるよう心から念願するものである。
 安否不明者の問題については、再調査が約束されたが関係者の納得できる明確な解決のために、日本政府の努力をあらためて要求する。

1.小泉首相は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)制裁を発動しないこと、在日朝鮮人への差別を行わないことを言明した。これは、当然のこととは言え今後の日朝関係に好影響をもたらすものであり、支持するものである。
 この意味からも、自民・公明・民主の各党が国会に提出している「特定船舶入港禁止」法案は、撤回されるべきである。

1.諸問題を話し合いと外交交渉によって一歩一歩解決し、また6者協議を通じて核問題の解決をはかることは、いよいよ重要な課題となっている。
 「日朝平壌宣言」を基礎に両国間の国交正常化を実現することは、日本の平和と安全はもとより北東アジアの平和と安全にとってきわめて重要な前進となる。

1.日朝協会は、結成以来、日本の朝鮮植民地支配の清算と日朝国交正常化、日朝間の諸問題の平和的な道理ある解決を求めて運動をすすめてきた。今後とも「日朝平壌宣言」を支持して、全力をあげて奮闘するものである。

2004年5月23日
日朝協会 事務局長 岩本正光


自衛隊のイラクからのすみやかな撤退を求める特別決議

 イラクで「ムジャヒデン旅団」を名乗るグループが民間の日本人3人を人質にし、自衛隊撤退の要求が受け入れられないなら殺害すると脅迫する事件が、8日発生した。われわれは、民間人の生命を犠牲にしようとする、この蛮行を糾弾する。われわれは、政府が3人の無事救出に全力を尽くすことを求める。もともと自衛隊派兵によって、人道復興支援のために活動するNGOをはじめとする日本の民間人に、深刻な事態が発生することが危惧されていた。われわれは、自衛隊を即時、撤退させることを厳しく要求する。自衛隊のイラク派兵は、無法の戦争を支持しそれに続く軍事占領への参加であり、そもそも絶対に許されない間違いである。さらに民間人へ危害が及ぶ事態が現実のものとなった。こうした点からも、あらためて撤退するとことを重ねて要求する。
2004年4月10日
日朝協会 第7回執行役員会

単独経済制裁のための外為法「改正」に反対する談話

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への送金停止を可能にすることなど、日本が他国に対する経済制裁を単独で判断し、実行できるようにする外国為替法・外国貿易法「改正」案が28日の衆院財務金融委員会で、自民、民主、公明の提案で審議され、賛成多数で可決された。29日には衆院本会議で日本共産党を除く各党の賛成で可決された。

 日朝協会は「北朝鮮による拉致事件は、日本の国家主権に対する重大な侵害であり許すことのできないものであり、事件の全容解明、責任者の処罰、被害者への謝罪と補償」を強く要求してきている。

 一昨年9月の日朝平壌宣言は「日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが、双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を確認した」としている。

 このことは日朝間の問題の解決は、あくまで外交的・平和的手段によって解決されるべきであることを明瞭に物語っている。

 また昨年8月の第1回6ヶ国協議(日本、韓国、ロシア、米国、北朝鮮、中国)は、6項目の合意を確認した。その中の第4項は「6者会合の参加者は、平和的解決のプロセスの中で、状況を悪化させる行動をとらないことに合意した」としている。

 今回の外為法の「改正」は、平壌宣言の精神や6ヶ国協議の国際合意に反するものであり、強く反対する。また「改正案」の提出政党、「改正案」に賛成した各政党、各会派、各議員に強く抗議する。

2004年1月30日 日朝協会 事務局長 岩本正光


談話

 昨日、政府は陸上自衛隊の先遣隊と航空自衛隊の本隊に、イラクへの派遣命令を出し、ひきつづき陸上自衛隊本隊の派遣を準備している。

 これは戦後はじめて重武装した地上軍を現に戦闘が行われている地域に派遣するものであり、明らかに憲法にも自衛隊法にも違反する暴挙である。

 しかも、イラクへの米英軍の武力行使は国連憲章に違反する侵略行為であり、これを支援すること自体大義なき国家的犯罪である。

 イラク国民が求めているのは、国連を中心とする経済や生活再建の支援であり、武力ではない。自衛隊の派遣はイラクの復興に役立つものでなく、かえって復興を妨害するものというべきである。

 このような暴挙がまかり通るならば、アジア諸国民の批判を強め、北東アジアの平和と安定にとっても憂慮すべき要因となるであろう。

 よって、政府の決定は直ちに撤回し、自衛隊を撤退せしめるだけでなく、米英軍等の撤退と国連のわくぐみによるイラク再興に努力するよう要求するものである。

2004年1月10日
日朝協会 代表理事 吉田博徳

新年のあいさつ

日朝協会 代表理事 吉田博徳

 新年明けましておめでとうございます。会員と会友の皆さんが、今年もまた元気で各方面でご活躍できるよう祈っています。

 私たちは21世紀を戦争のない世紀にしようと迎えましたが、アフガンやイラクへの戦争で迎えてしまいました。しかし、人類が20世紀前半に努力した戦争反対の世論と運動が、国連を中心に飛躍的に発展していることに勇気を与えられる新年でもありました。

 米・英はますます孤立をふかめ、イラク統治の展望を見出せないでいます。小泉首相はアメリカの圧力に屈して自衛隊派遣を決定しましたが、日本の世論も反対が圧倒的に多数です。将来のことは本人もわからないのでしょう。

 自衛隊の派遣に反対し、米・英軍の撤退を要求し、イラクは国連中心にイラク国民による民主的な統治を確立するように、世界中の人びとと協力して運動を広げましょう。

 この運動は中東に平和をもたらすだけでなく、朝鮮半島に戦争の脅威をもたらそうとする、アメリカの覇権主義に反対し、北東アジアの平和と安定にも直接影響をもたらすことだと思うのです。そのなかで日朝協会の組織的な拡大と強化を前進させるよう心から期待しています。


2003年

抗議声明


イラクへの自衛隊派兵に反対し、計画の撤回を要求します

 内閣総理大臣 小泉純一郎殿

 小泉内閣は自衛隊をアメリカに追随して、国民感情、世論にさからい、イラクに派遣することを決めました。これはイラク人道支援を口実にして、戦争状態の国に派遣する戦後初めての海外派兵であり、不法な占領支配に軍事力で荷担することに外ならず、このことはまた憲法改悪をにらんだ平和憲法を踏みにじる行為で、断じて許すことはできません。

 ただちにこの計画を撤回し、世界に誇れる憲法9条を守り、アメリカのいいなりでなく、国連を中心とする人道復興支援にきりかえることをここに強く要求するものです。

2003年12月10日

 日本ユーラシア協会 会長 藤田勇
 日本中国友好協会 会長 伊藤敬一
 日朝協会 代表理事 吉田博徳
 日本ベトナム友好協会 会長 伊藤吉紀
 日本キューバ友好協会 理事長 阿部広治
 日本・アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会 理事長 秋庭稔男

埼玉緊急共同アピール

〜戦争の危機から平和構築へ 東北アジアの平和的未来のために すべての職場・団体・学園・市町村で
学習会・討論会をひらきましょう〜

 早いもので昨年9月、小泉首相の訪朝で日朝首脳会談がひらかれてから1年が過ぎました。
 昨年9月17日に、日朝平壌宣言が出されたとき、これで長年にわたる日朝間の不正常な関係に終止符が打たれると感じられた方も多かったのでは、と思います。
 ところが、それもつかの間、その席上で北朝鮮側から明らかにされた拉致事件の「事実」が深刻だったこともあり、日本の多くのマスメディアは日朝間の諸問題を真に解決する道を示すどころか、逆にヒステリックに国民の被害感情をあおりたてることとなりました。この結果、北朝鮮は憎悪と軽べつ、嘲笑の対象とされ、国交回復正常化などを口にしようものなら「非国民」よばわりされかねないような雰囲気がつくられてしまいました。
 残念ながら、この問題での私たちの宣伝はきわめて不十分だったこともあり、結果的にマスメディアによってたれ流される北朝鮮「脅威論」を野放しにし、小泉自公保政権が押し進める有事法制必要論の横行を許してしまった感があります。が、それにもかかわらず東北アジアの平和と安定をめざす国際的な努力は営々としてつづけられ、先日は中国などの尽力もあって関係六カ国(日本、韓国、北朝鮮、中国、アメリカ、ロシア)による協議が開催されたことは喜ばしい限りです。日本国内でも、北朝鮮に対するはげしいネガティブキャンペーンやバッシングにもかかわらず、昨年12月に内閣府が発表した世論調査で、日朝国交回復正常化に賛成の人が66%にのぼっていたことは重要です。最近は、埼玉県内はもとより全国的に北朝鮮問題を中心とする学習会や討論会が開催されるなどのうごきもでてきました。このうごきをもっともっと大きなものにしなければ、と思う昨今です。
 さきごろ石原慎太郎東京都知事は、日朝首脳会議開催の準備に当たった外務省の田中審議官の自宅に不審物が仕掛けられたことに対して、「爆弾を仕掛けられて当たり前」と、テロを容認、賛美する発言を行いました。これは、「自分と考えの違うものは暴力で抑えつけてもかまわない」というテロリスト集団と同じ立場に立つものであり、断じて許すことはできません。
 いま大切なことは、いたずらに危機感や恐怖をあおったり、居丈高に相手を脅したり、挑発したりすることではなく、東北アジアの平和と安定をめざす立場から、日朝平壌宣言の意義をしっかりとつかみ、その立場での問題解決をめざす世論の構築に力を注ぐことではないでしょうか。
 私たちは以上の点から、戦争の危機を回避し、東北アジアの平和的な未来への展望をきりひらくために、大いに学習活動、宣伝活動を強める必要があると痛感しています。
 私たちは、そのためにも講師・チューター養成講座の開催や学習資料の作成などに着手しました。
 すべての職場・団体、すべての市町村で1回以上学習会・討論会を行い、「重い」といわれる日朝間の諸問題の平和的な解決を求める世論を大きく広げようではありませんか。

2003年9月25日
日朝協会埼玉県連合会
日中友好協会さいたま支部
日本ユーラシア協会浦和支部
埼玉アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会
埼玉県平和委員会
原水爆禁止埼玉県協議会
平和・民主・革新の日本をめざす埼玉の会(埼玉革新懇)
埼玉県労働組合連合会
日本機関紙協会埼玉県本部

談話

 報道によれば、7月29日深夜、新潟市の在日朝鮮人総連合会(朝鮮総連)新潟県本部事務所に銃弾一発が撃ち込まれ、同時に旧朝銀系金融機関「ハナ信用組合」新潟支店にも爆発物が仕掛けられたという。

 また31日には、神奈川県藤沢市の「ハナ信用組合」の玄関前にも、火炎瓶のようなものが投げられた跡があったと報道されている。

 朝鮮総連の声明によれば、昨年10月以降、全国的に朝鮮総連関係施設に対する放火や投石などの暴力行為が20件以上もあったと述べられている。

 いかなる理由があろうとも暴力は、在日韓国・朝鮮人の基本的人権と民主主義に対する卑劣で重大な挑戦であり、こうした行為を厳しく糾弾するものである。

 今年は、6,000名にのぼる朝鮮人が虐殺された関東大震災の80周年にあたる。朝鮮植民地支配をはじめ、再び不幸な歴史を繰り返すことのないように、アジア諸国民との友好、連帯の21世紀を発展させるよう、あらためて呼びかけるものである。

2003年8月1日
日朝協会 代表理事 吉田博徳

有事法制関連法案の強行採決を阻止し、廃案をめざすアピール

 政府と与党3党は、多数の国民世論の反対をおしきって、有事法制関連法案を衆議院で強行採決し、この国会中に成立させようと企てています。すでにイラクに対するアメリカの武力攻撃が国連安保理事会の決議なしに、国連憲章を無視して行われ、アメリカの一国覇権主義と先制攻撃主義と日本の小泉政権がそれを支持、有事法制関連法案の真の狙いはさらに明らかになってきました。すなわち、この法案は、アメリカが戦争を起こした場合、政府が日本国内はもちろん、海外に派遣された自衛隊なども武力攻撃の「おそれがある」「予測される」事態と認定しさえすれば自衛隊が武力行使を行うことを可能にし、こうしてアメリカの起こす戦争に日本を巻き込もうとする本質をもつものです。

 そして、有事関連法案はこうした戦争のために、日本国民の人権と生活を広範囲に制限して従わないものに厳しい罰則をもってのぞむ体制をつくろうとするものです。

 私たちは、世界に誇る政争放棄の憲法を厳守し、あらゆる国際紛争を武力をもちいず、国連中心の話し合いによって平和のうちに解決するために、国際社会において奮闘することこそ、現在最も緊急であると堅く確信しています。この立場から私たちは、すべての国民のみなさんが、いまこそ有事関連法案の廃案をめざして世論をひろげ、政府ならびに与党3党の衆議院での審議打ち切り、強行採決の企図を断固粉砕する行動を強めていただくことを訴えるものです。

2003年5月12日
日本ユーラシア協会 会長 藤田勇
日本中国友好協会 会長 伊藤敬一
日朝協会 代表理事 川合章
日本ベトナム友好協会 会長 伊藤吉紀
日本キューバ友好協会 理事長 岡部廣治
日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会 理事長 秋庭稔男

イラク攻撃を糾弾する声明

 米英両国を中心としたイラク攻撃を断固糾弾する
 軍事攻撃の即時中止を

一、3月20日、アメリカのブッシュ政権は英国と共同でイラクへの軍事攻撃を開始した。  日朝協会は、このような国際法も人道上も許されない米英両国を中心としたイラク攻撃に断固抗議すると同時に、関係諸国に対し、軍事攻撃の即時中止を求めるものである。

一、今回のイラク攻撃は、国連によるイラクの大量破壊兵器の査察が行われ、かつその成果が確認されつつある最中に行われた。イラクの大量破壊兵器保有に対する疑惑を解明する最中に、国連及び国際法上の何の正当な理由もなしに行われた今回の攻撃は、如何なる理由をもってしても正当化されるものでないことは明白である。

一、すでに各種の報道によれば、イラク国内では空爆による民間人の犠牲者が出ており、爆撃の被害は軍事関連施設だけに及ばないことが示されている。民間施設に対するこうした軍事行動は、もはや戦時国際法をも踏みにじる暴挙であるばかりか、この戦争が何の正当性も有していないことを明白に示している。

一、われわれ日朝協会は、米英両国の軍事行動の即時中止を求める。と同時に、日本政府がこのような米英両国の軍事行動を支持したことに対して、強く抗議し、平和的解決へ向けた外交努力を進めることを強く求めるものである。

2003年3月25日
日朝協会第12回執行役員会

朝鮮学校卒業生の国立大学受験資格について

談話

 文部科学省は、国内の外国人学校のうちインターナショナルスクール(英語で授業を行っている学校)の卒業生に限って、国立大学の入学資格を認め、朝鮮人学校などの民族学校の卒業生は従来通り認めない制度を検討しているとのことである。
 この問題は以前から公・私立大学の受験は認められているのに、国立大学だけを認めないのは重大な人権侵害であるとして、日本弁護士連合会からも改善を求められていた問題であるが、新たに米英人学校とその他の民族学校との差別を持ちこむことは、学問の自由や教育の機会均等を定めた、憲法と教育基本法に違反する重大問題である。
 しかも文部科学省の幹部は「いま(朝鮮人学校も)認めれば北朝鮮を利することにつながりかねない」と述べた(朝日新聞)そうだが、有為な青年の未来にかかわる問題にその時々の国際情勢を持ちこむことにほかならず、教育制度を担当する資格を疑われる、言語道断な見解である。
 われわれは朝鮮人(南北を含む)や中国人の子弟が、かつて植民地支配や太平洋戦争などで、多大な被害をこうむった人々の子弟であることを考えるならば、優先的に改善の措置をとるべきであるとさえ考える。すべての外国人学校卒業生に国立大学入学資格を与えられるよう厳しく要求する。
2003年3月10日
日朝協会代表理事 吉田博徳

2002年

日朝国交正常化促進に関する国民へのよびかけ

 さる9月17日、平壌において日本と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の首脳会談が行われ、日朝国交正常化交渉の再開について合意し、「日朝平壌宣言」に署名・調印しました。このことは、長年にわたる日本と北朝鮮との不正常な関係を改める歴史的なことであり、心から歓迎するものです。

 平壌宣言には、次のような積極的な内容が盛りこまれています。

 第1に、国交正常化の早期実現のために、あらゆる努力を傾注すること。

 第2に、植民地支配に対する、痛切な反省と心からのお詫び。

 第3に、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題に適切な措置をとる。

 第4に、北東アジアの平和と安定に、互いに協力する。

 これらは、日本の朝鮮植民地支配の清算をはじめ日朝間の諸問題を包括的に、言い換えれば全ての問題を同時に解決しようとする積極的で道理にかなったものです。

 今回の会談の中で北朝鮮が、日本人の拉致問題を認めて謝罪したことは、世界を驚かせました。拉致事件は、国家主権と基本的人権の乱暴な侵害であり、断じて許すことはできません。

 ご家族の皆さんの怒りと悲しみは、察するに余りがあります。私たちは、すでに亡くなられた方のご家族や関係者に深い哀悼の意を表するものです。また、北朝鮮政府に対し強く抗議するとともに、事件の原状回復と全容解明、責任者の処罰、適切な補償を要求します。

 いま日本国民の一部に、「拉致問題の解決がなければ、国交正常化交渉に入るべきでない」との意見があります。しかし、私たちはこの問題を切り離すのではなく、国交正常化交渉のなかで話し合いによって、拉致事件の徹底究明をすすめることが必要であると考えます。もし、話し合いの窓口を閉ざしてしまえば、拉致事件の究明も困難になってしまいます。

 米政府は16日、「北朝鮮が核開発をおこなってきた」ことを北朝鮮政府が認めたと発表しました。これが事実であれば、米朝間の「枠組み合意」や「日朝平壌宣言」に反するものです。

 北東アジアの平和と安定のためにも、あらゆる問題を日朝国交正常化交渉の中で解決させることが重要であることを国民の皆さんに、心から訴えるものです。

2002年10月9日
 日朝協会第4回全国理事会

談話

在日朝鮮人への迫害をやめましょう!


県民の皆さん。

さいたま市にある埼玉朝鮮初中級学校と同幼稚園(川口市)に過激な脅迫状が届いています。また中級部の女生徒が路上で嫌がらせを受けています。

こうした在日朝鮮人、とりわけ子どもたちへの脅迫や迫害を直ちに止めましょう。埼玉県民の良識により事件の再発を防ごうではありませんか。

 日本に居住している在日朝鮮人は、戦前の日本の植民地支配の結果によるところが大きな要因です。このこともよく考えてみようではありませんか。

 9月17日の日朝首脳会談で明らかになった北朝鮮による日本人拉致事件は、日本の国家主権に対する重大な侵害であり、日本国民の生命を守る上からも絶対に許すことのできない事件です。

 しかし、この事件の解決は、国際法、国内法によってどこまでも話し合いによって解決されるべきものです。そのためにも日朝国交正常化交渉の促進が重要であると考えます。

 県民の皆さん。

 在日韓国・朝鮮人の人たちと相互理解と交流、友好親善を深めましょう。そして、この埼玉から未来志向の関係を全国へ、アジアへ発信しようではありませんか。

2002年10月3日
日朝協会埼玉県連合会会長 川合章

談話

一、9月17日、日朝首脳会談が開催され四項目にわたる「日朝平壌宣言」が発表され、日朝国交正常化交渉の再開に合意した。われわれ日朝協会は、1955年11月の全国組織結成以来、日朝国交正常化と日朝間の懸案の解決を求めて運動をすすめてきた。この点から今回の合意が積極的なものとして歓迎するものである。

一、今回の会談のなかで、北朝鮮が日本人拉致問題を公式に認めた。拉致され亡くなられた方、ご家族、関係者のみなさんに深い哀悼の意を表すると共に北朝鮮政府に強く抗議するものである。あわせて事件の全容の解明と公表を強く要求する。

一、われわれは、今後とも日朝国交正常化と日朝間の諸問題の解決のために、全力をあげて奮闘することを表明するものである。

2002年9月18日
日朝協会事務局長 岩本正光

談話

1、7月31日、日朝外相会談がおこなわれ、国交正常化交渉再開に向けて8月中に局長級の協議と赤十字会談を行うことで合意、共同発表文がまとめられた。

共同発表文は第1項目で「双方は諸問題を解決するために真剣な努力を行っていく」と表明している。

1、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との国交正常化と大韓民国(韓国)との友好関係の発展をめざして不断の努力を続けている我々は、今回の合意を心から歓迎し、各級、各種会談が実のあるものとなることを心から期待するものである。

1、北朝鮮との関係から見れば、1910年の「韓国併合」以来、日本政府の植民地支配への公式謝罪と補償が全くなされていない。

また、北朝鮮とは国連加盟国189カ国中、唯一国交のない国という異常な状態にあることは、一刻も早く解決されなければならない。

1、朝鮮民主主義人民共和国とのあいだに、平和5原則にそった国交関係が樹立されることは、アジアと世界の平和に大きく貢献することを深く確信するものである。

2002年8月1日
日朝協会 事務局長 岩本正光

有事法制3法案に反対し、廃案を求める6団体アピール

5月8日
日朝協会
日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会
日本キューバ友好協会
日本中国友好協会
日本ベトナム友好協会
日本ユーラシア協会

日本政府は4月26日、衆議院に武力攻撃事態法案など有事法制関連3法案を上程し、審議を開始した。

この法案は、政府が、日本が武力攻撃される「おそれ」があるとか、そうした攻撃が「予測」されると認めさえすれば、日本を戦時体制下におき、国民の基本的人権を制限して罰則つきで総動員するための法案であり、日本を「戦争をする国」につくりかえるものである。

政府自身、いま日本に大規模な侵攻を企てるような外国勢力はないことを認めているにもかかわらず、すすめようとしている有事法制は、アメリカの介入戦争に自衛隊を参戦させる「周辺事態法」と結びついたものであり、「日本を守る」ものでなく、アメリカの戦争に参戦協力するためのものである。

小泉内閣がどのようにいいつくろうと、戦争に強制動員する憲法原則否定の有事法制関連法案に、われわれは断固反対する。

われわれ6団体は、過去のアジア人2千万人、日本人300万人の犠牲を出した戦争の悲劇を教訓に友好・連帯の活動を展開してきた。侵略戦争を正当化する歴史教科書の検定合格、小泉首相の靖国神社参拝、自衛隊の海外派兵にも反対してきた。

いま日本がおこなうべきは、戦争を準備することではなく、憲法9条を生かした平和外交をすすめることであり、すべての国際紛争を武力によらず、平和的な話し合いで解決することを国際的に強く主張すべきである。

以上の立場から、法案の廃案を要求するものである。





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