日朝協会の声明・談話など

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【声明】日本政府は武力により他国を占領した過去を持つ国として、イスラエルにガザ武力侵攻の停止・停戦を求めよ!

イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの大規模な空爆と地上侵攻が続いている。ガザ地区ではすでに1万人以上が殺され、そのうち4,000人以上が子どもだとされる。ガザ住民の200人に1人が命を落とす異常な事態となっている。グテレス国連事務総長は「国際人道法違反だ」とイスラエルを厳しく批判している。

イスラム武装勢力ハマスによるイスラエルの市民への攻撃や人質略取は国際法違反であり、人質は直ちに解放すべきだが、イスラエルは「自衛」の名目でガザ地区へ大規模な空爆を行い、地上軍を侵攻させ、パレスチナ人のジェノサイドを実行している。

先のG7外相会合ではイスラエルの攻撃を「自国及び自国民を守る」ためだとして擁護し、ガザ侵攻の停戦を求めていない。日本政府は10月27日の国連総会で採択されたガザ地区での「敵対行為の停止につながる人道的休戦」を求める決議に棄権するという態度をとり、その後の国会答弁でも首相や閣僚は停戦・休戦を求める姿勢を見せていない。

日本は朝鮮を植民地化する過程で、独立運動や抵抗活動を徹底的に弾圧し、東学農民や義兵闘争に対してジェノサイドを実行した。戦後日本は平和憲法を制定し、「戦争しない国」として国際社会に名誉ある地位を占めるよう努めてきた。イスラエルは1967年以来ガザ地区やヨルダン川西岸地区を占領し、その下でパレスチナの人々は非人道的な生活を強いられ、ガザは「天井のない監獄」とさえ呼ばれている。このような武力による占領支配は、100年前の軍国日本が歩んだ道であり、決して許されない。

憲法により武力の行使を放棄している日本政府は、イスラエルの国際法違反のガザ地区への攻撃を強く非難すべきだ。イスラエルとハマスにただちに停戦を求める立場に立ち、殺戮をやめさせるよう働きかけなくてはならない。

私たちは国際法に依拠して、「戦争やめよ」「殺戮するな」の声を大きくし、国内・国際世論でイスラエルによるジェノサイドをやめさせ、イスラエル軍による空爆と地上作戦を停止することを強く呼びかける。

2023年11月15日
日朝協会 執行役員会

新年のご挨拶

日朝協会会員の皆さん、「日本と朝鮮」読者の皆さん、日朝協会の運動を見守ってくださる皆様、友好団体の皆様、新しい年をいかがお迎えですか。

昨年は、前々年からうち続くコロナ禍のもと、人が集まること、顔を合わせて語りあうことが制約され、十分な交流などはできませんでした。でも日朝協会の都道府県連・支部は創意工夫しながら頑張ってきました。

昨年は、ロシアのウクライナ侵攻、カルト集団で自民党議員との癒着が浮かび上がった旧統一協会・勝共連合問題、安倍国葬問題、そして日本を軍事大国化し、地域を拡大してアメリカと共に行動する自衛隊に仕上げる動きの急速化など、我が国の民主主義とアジアと日本の平和が脅かされる事態が深刻化していますね。

政府は軍事力・軍事規模を大幅に拡大し、5年間で防衛費をGDP比1%から2%に大幅に拡張する、新たに敵基地攻撃能力の保有などを恥じらうことなく喧伝し実行しようとしています。しかし、政府・自民党などは専守防衛の枠内だと言い逃れするために、「敵基地攻撃能力」という言い方を隠して「反撃能力」と言い換えています。これは何を意味するのでしょうか。敵基地攻撃能力は先制攻撃で専守防衛から外れるとの批判をかわす意味を込めて反撃能力と言い換えた(専守防衛の範囲内だとの看板に付け替えた)のでしょう。しかし、看板に書かれた「反撃」の言葉とは反対に、相手国からの弾が一発も打たれていなくとも、発射の兆候があると思われたらミサイルを相手国に撃ち込むこむことを認めるのですよね。これまで日本政府が守ると言ってきた専守防衛原則を反故にするものですよね。「反撃能力」という言葉に言い換えることで事の本質をごまかそうとしているといって間違いないと思います。「防衛省改め敵基地攻撃省」と名前を変えてみてはという川柳に(朝日新聞12月13日天声人語)「ウンそうだ」「でもそうさせてはならない」と思った次第。

ロシアのウクライナ侵攻、朝鮮半島、アジアの安全については、力対力、ブロック対ブロックの軍事・力によるせめぎ合いが継続しています。ロシアの侵攻は到底許されるものではありませんが、背後にはNATOとの対抗があるようです。

ロシアの侵攻を許さないために何が求められているのか、どうロシアに働きかけるのかと言った視点が弱いように思われます。北朝鮮の弾道弾発射は非難されるべきですが、北朝鮮は米韓の軍事演習への反発として弾道弾発射を行い、米韓は北朝鮮の弾道弾発射に対して軍事演習(米・韓・日の3か国による演習も)で対抗しています。軍事対軍事では解決の道は見出せません。エスカレートさせるだけです。

ロシアのウクライナ侵攻、朝鮮半島とアジアの平和・安定を求めるには「力対力」「軍事対軍事」ではない道を追求することが今強く求められていると思います。日本政府には中国・台湾の問題も含め、力(軍事)に頼らない解決の道を模索する姿勢・努力が見られません。

多くの人々は政府・自民与党勢力の対応に疑問を抱いているようですが、「ではどうするのか?」については一般マスコミもハッキリ示しません。軍事力(力対力)ではなく、対話・政治交渉など、非軍事の分野を通していかなる話し合い・交渉ができるかを追求することが求められていますね。そのために「何ができるか」「何をすべきか」を追い求め実行する運動が求められていると思います。

平和・友好を追い求める日朝協会自らの課題として、日本を軍事大国にさせないこと、朝鮮半島・アジアの人々との平和・友好連帯を求めること、国内の友好団体などとの共同などを追い求めていきたいですね。朝鮮半島の文化を学び、在日の皆さんとの交流なども求めたいと思います。そのためにも日朝協会会員・読者の皆さんの健康と友好団体との連携強化などが求められています。

新しい年が健康と友情に恵まれる明るい年となりますように。
2023年1月1日
日朝協会 会長 宮川泰彦

【声明】ロシアのウクライナ侵攻に抗議し、即時撤退を求める

2月24日、ロシアのプーチン政権はウクライナに軍事侵攻し、軍事施設だけでなく多数の市民が暮らす首都キエフをはじめとする都市も攻撃し、子ども・女性を含む多くの民間人が犠牲になっている。このような軍事行動は、「主権の尊重」と「領土の保全」、「紛争の平和的手段による解決」「武力行使の禁止」を定めた国連憲章に反する明白な侵略であり、非人道的な暴挙であり、強く抗議するものである。さらに、ロシアのプーチン大統領は核兵器の使用さえ示唆し、核による威嚇を行っている。これは人類に対する挑戦とも言える許しがたい行為である。

ロシアの侵略に対して、国連は緊急特別会合を開催し、3月3日加盟国の7割を超える141か国の賛成で、ロシアの侵攻を非難する決議を採択した。また、日本と世界の各地で、またロシア国内でも、ロシアの侵略を非難する市民の声が次々と広がっている。

朝鮮戦争の終結を求めて結成され、北東アジアの平和を求めて活動している私たち日朝協会は、今回のロシアの軍事侵攻は絶対に容認することはできない。ロシアのウクライナからの即時撤退を強く求めるものである。

2022年3月8日
日朝協会 執行役員会

【声明】今こそ植民地主義を克服しよう! 〜佐渡金山の世界遺産推薦にあたって〜

岸田文雄首相は1月28日、「佐渡島の金山」を世界文化遺産の候補としてユネスコ (国連教育科学文化機関)に推薦すると表明した。 韓国政府は日本政府に対し 「深い失望」 を表明した。 世界遺産への推薦の是非はともかく、 この機会に佐渡金山の歴史を振り返ってみよう。

そもそも日本政府は佐渡金山を「江戸時代に我が国固有の伝統的手工業を活用し、大規模かつ長期にわたって継続した稀有な産業遺産」などとしているが、金採掘は「400年の歴史」(佐渡金山ホームページ)と自称するように、江戸以降も明治から大戦を経て1989年まで操業していた。日本が朝鮮半島を植民地としていた時代 (1910〜 45年)に、朝鮮半島出身者に「強制労働」させていたことは否定できない歴史的事実である。

新潟県が編集発行した『新潟県史 通史編8近代3』(1988年)は「強制連行された朝鮮人」の項を設け、「昭和14(1939)年に始まった労務動員計画は、名称こそ『募集』『官斡旋』『徴用』と変化するものの、朝鮮人を強制的に連行した事実においては同質であった」と記している。さらに、県内各地の実態を詳述した上で、佐渡金山において朝鮮人労働者が待遇を不満として闘争や逃亡を繰り返したことを指摘している。

さらに、佐渡金山の地元である相川町(現・佐渡市)が発行した『佐渡相川の歴史 通史編 近・現代』(1995年)は「朝鮮人労務者の動員」の項で、「労働条件の劣る坑内の採掘はより多く朝鮮人が受持っていた」ことを指摘している。また、賃金については「内鮮の区別はない」とされていたのに、朝鮮人労働者が待遇改善の要求や「応募時の条件と違う」などとして争議を繰り返したこと、「食費や寝具代、地下足袋などの作業必需品がすべて本人持ち」だったという労務担当者の回想を載せている。そして、「佐渡鉱山の異常な朝鮮人連行は、戦時産金国策にはじまって、敗戦でようやく終るのである」と断じている。

日本政府は長崎県の端島炭坑(軍艦島)などからなる世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」についても、植民地朝鮮からの労働者の実態に関して、東京に開設した産業遺産情報センターに、民族差別も強制労働もなかったという内容の展示を公開するなど、不誠実な態度をとり続けている。

これに対して、日朝協会は日韓の多くの市民団体と共に、「産業遺産情報センターでの強制労働否定の展示に抗議し、強制労働被害の実態やその証言の展示を求める」共同声明を発した(2020年7月14日)。声明では、日本政府が2015年の世界遺産登録にあたり、「(1940年代に)その意に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者等がいた」ことを認め、「(第2次世界大戦中に)徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じる」とした国際的な約束を守るよう強く求めた。

さらに2021年7月22日には、ユネスコの世界遺産委員会が、朝鮮半島などから連行され労働を強いられた人々についての日本の説明が不十分だとして、「強い遺憾を示す」とする決議を全会一致で採択した。決議は日本に派遣された専門家からの報告書を踏まえ、「犠牲者を記憶にとどめるために適切な措置を説明戦略に盛り込む」ことを考慮に入れるよう日本政府に要求している(「朝日新聞デジタル」2021年7月22日付)。

日本政府の姿勢を正すには、日本人自身が植民地支配の歴史と向き合い、歴史認識を磨いていく以外に近道はないであろう。世界では百年以上前の植民地支配の罪悪と向き合う潮流が生まれ、BLM(黒人の命は大事だ)運動が広がり、構造的な人種差別を告発している。日本でもヘイトスピーチやSNSへの差別的な書き込みを放置する社会を許さず、被害者と共感する運動が世論を動かしている。

私たちは今こそ、日本社会にはびこっている「植民地主義」「韓国・朝鮮人蔑視」を克服して、植民地支配の責任を認めない日本政府による歴史わい曲を許さず、強制連行や強制労働、日本軍「慰安婦」などの国家的蛮行にきちんと向き合うことを呼びかける。どの国にも、どの民族にも「優越性」や「劣等性」など存在しない。歴史から目をそむけ、自身に都合の良い要素だけを取り上げ、「我が国のみが正しい」などという偏狭な排外主義を野放しにしてはならない。

歴史を正当に認識する日本人を多数にするために、私たちが先頭に立って、身近なところから旺盛に学習運動を進めよう。大小の集会や街頭での宣伝、市民運動の機関紙やニュースへの投稿、SNSへの発信など自分にできることから始めよう。「勝つ方法はあきらめないこと」を実践して、粘り強く取り組もう。

2022年2月8日
日朝協会 執行役員会

新年のご挨拶

日朝協会会員の皆さん、「日本と朝鮮」読者の皆さん、友好団体の皆さん、新しい年をいかがお迎えですか。

新しい年が何よりも一人ひとりの命と人格が大事にされる年、戦争ではなく平和と共存に向かう年、人々の友好・連帯の絆が強まる年へ向かうことを心から願います。

昨年はコロナ禍の対応に見られるように日本政府は国民の命と暮らしを守る責務を果しているのか、疑問が大きく残りました。

昨年発足した岸田政権は発足当初から改憲・軍拡路線を推し進め、平和と共存に逆らっているように見えます。

自民党は憲法9 条「改正」を本丸とする改憲案を実現すべく、総選挙後にはこれまでの自民党「憲法改正推進本部」を「憲法改正実現本部」へと変え、改憲右翼団体・日本会議と一心同体の日本会議国会議員懇談会の会長である古屋圭司党政調会長代行を実現本部長に、同懇談会副会長の新藤義孝を事務総長に据え、岸田氏は「名称だけではなく体制もシッカリやる気を示そう」とハッパをかけました。岸田氏の改憲に向けた強い意欲が端的に示されています。

岸田氏は明文改憲策動と並行して、憲法9 条違反である敵基地攻撃能力の保有など、専守防衛の原則を投げ捨てようとしています。「敵基地攻撃は9 条に適合しない」がこれまでの政府の見解でしたが、公然と敵基地攻撃能力の保有を言い出したのです。

先の衆院選における自民党の公約では軍事費を国内総生産(GDP) 比2%を念頭に増額するとしています。何故防衛費はGDP 比1%が言われてきたのでしょうか。9 条のもと、日本は防衛のために必要最小限度の自衛隊をもつが軍事大国化しない、だからGDP1%(まで) を言ってきたのではないですか?

専守防衛の大原則を投げ捨てる自衛隊の変質が目の前で進んでいます。日本の防衛に専念するのだから、日本国の領土及びその周辺を自衛隊の防衛対象地域とする建前(地球の裏側に自衛隊が出向くこと等は間違ってもあり得ない論) から、自衛隊の活動領域をインド洋まで、あるいは中東まで拡大する動きが公然と行われています。自衛隊が活動する地理的限定・制約を取り払い、アメリカと共に広範な地域で行動する=専守防衛の活動領域の撤廃、専守防錆から求められる防衛費対GDP 比1%枠の撤廃は、憲法9 条の実質改憲といえるでしょう。

新しい年が戦争とは無縁な年となること、日本の自衛隊が世界で起きる戦争や武力紛争に加わらないことを強く求めたいですね。国際紛争や緊張に対して、日本の政府には軍事力ではなく交渉・対話によって解決するための行動・発言を求めたいところです。9条を持つ国の責務だと思います。

平和と友好を求める日朝協会の課題として、日本が軍事大国化しないこと、国際紛争を武力ではなく話し合いで解決することを追い求めて行きたいと思います。善隣友好、平和など日朝協会会員の想い願いを大切にしながら活動して参りたいですね。健康と友情に恵まれた1 年となりますように。

2022年1月1日
日朝協会 会長 宮川泰彦

核兵器禁止条約の発効を心から歓迎する

2021年1月22日、ついに核兵器禁止条約が発効した。人類史上初めての核兵器攻撃を受けた日本の平和団体として、条約の発効を心から歓迎する。広島・長崎で数万人と推計される朝鮮人被爆者を含むすべての被爆者の無念を晴らす契機となることを祈る。

「壊滅的で非人道的な結末を」もたらす核兵器を「開発し、実験し、生産し、製造し、その他の方法によって取得し、占有し、又は貯蔵すること」が、「使用し、又はこれを使用するとの威嚇を行うこと」とともに条約で禁止され、国際法違反となることが明確となった。

日朝協会は条約発効を受けて、日朝、南北、朝米、韓米それぞれの関係が、条約のめざす「核兵器のない世界」に向けて進展することを期待し、核兵器廃絶を望むすべての個人・団体と協力して、「核兵器のない東アジア」の実現のために努力する。

朝鮮半島において、南北両政府が条約に署名し、批准すれば、核兵器のない朝鮮半島を実現できる。日朝協会は一日も早くその日が訪れることを願う。そのためにも、日本政府が米国の「核のカサ」による「核抑止力」の幻想から抜け出し、条約に参加することを強く要求する。

2021年2月9日
日朝協会 執行役員会

新年のご挨拶

日朝協会会員の皆さん、「日本と朝鮮」読者の皆さん、友好団体の皆さん、日朝協会の運動を見守って下さる皆さん、新しい年をいかがお迎えでしょうか。新しい年が健康に恵まれ、個人の尊厳が守られ、平和に向かう年となりますことを強く願います。

昨年は新型コロナの大感染により、世界中日本中がこれまでにない試練に見舞われました。コロナの終息は未だに見通せない中、人と人との交流制限など日朝協会本部、各都道府県連、支部の活動は大きな制約を余儀なくされる場面もありましたが、総意工夫をこらしコロナに負けることなく頑張って参りました。

安倍晋三氏は首相の座を放棄しました。表向きは健康上の理由ですが、「モリ・カケ・サクラ」に続きテコ入れした河井元法相夫妻の選挙買収事件と巨額な選挙資金交付、秋元元副大臣の逮捕、アベノマスクなどに見られるコロナ対策の失政を重ねた結果、支持率の低迷が続くようになり辞任を余儀なくされたもので、多くの国民の不信任による辞職と言えるでしょう。

その安倍政権の継承を明言する菅政権が発足し3 か月が経過しました。菅首相は長年安倍内閣の官房長官を務め、安倍政治を指揮・実行してきた人物で、安倍政権以上に、人事をはじめ官邸主導の統治を行い異論を許さない政治を強行するのではないかと危惧されます。日本学術会議委員の独断任命はその典型事例と言えるでしょう。

在任中の改憲を目指した「安倍改憲」は阻止されましたが、菅首相は9 条をはじめとする改憲や日米同盟強化路線を引き継ぐことを明言して、先制攻撃容認に結びつく敵基地攻撃を自衛隊が担えることを検討するなど危険な動きを示しています。

世界に目を向けると2020 年はアメリカのミネアポリスでの警察官による黒人殺害事件をキッカケに人種差別・民族差別を許さない運動が世界に広がりました。植民地からの奴隷移入などにより富を得、その富で地元に貢献した人物の銅像が引き倒されるなど、植民地支配に対する反省も展開されています。

我が国内では、相変わらず排外主義的主張を言い放つ団体等によりヘイトスピーチが繰り返されています。アイデンティティを尊重する共生社会を否定・破壊するもので許せません。罰則付きの川崎市条例や、ヘイトスピーチ解消法や東京都の「オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念を目指す条例」などもありますが、全国各地でヘイトを許さない条例ができること=全国各地でヘイトを許さない民意の表れ=が求められていると思います。

また、同じ日本社会の中で暮らしている在日の人たちに対する差別が公然と行われています。安倍政権は2013 年に全国にある朝鮮中高級学校を高校無償化の対象から外しました。幼保教育無償化の流れの中で朝鮮幼初級学校に関する補助金は除外されています。このような取り扱いは国・自治体による差別です。民族に対する差別・偏見を助長する動きと言えます。

朝鮮人に対する差別偏見により悲惨な虐殺に及んでしまった関東大震災朝鮮人虐殺の歴史を否定しようとする動きも見られます。

以上のような状況を私達日朝協会は黙って見ている訳には参りません。想いを共有する人々や団体と力を合わせ、人権尊重、善隣友好、平和を守る運動に邁進いたす所存です。

2021年1月1日
日朝協会 会長 宮川泰彦

日本学術会議新会員の任命拒否に抗議し、105名全員の任命を求めます

菅首相は、日本学術会議が新会員候補として推薦した105名のうち6名について、何ら理由の説明もなく任命を拒否しました。日本学術会議は「学者の国会」ともいわれ、政府に対して学術研究の立場から様々な分野にわたる政策提言を行う「国の特別の機関」です。

国からの独立が保障され、自由な学術研究の成果に基づいて政策提言ができてこそ、学問を通じて国民生活に寄与することができます。戦前、政府は学術研究を統制し、科学技術を兵器開発に利用して侵略戦争を推進しました。だからこそ日本国憲法第23条は「学問の自由は、これを保障する。」と定めています。

会員の任命については「推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」となっていますが、「形だけの推薦制であって、学界から推薦して頂いた者を拒否しない」(1983年11月24日丹羽兵助総理府総務長官)と政府自身が答弁してきました。菅首相による任命拒否は国家による学術研究への政治介入であり、学問の自由への重大な侵害だと言わざるをえません。

日本と朝鮮両民族間の理解と友好を深めることを目的とする私たち日朝協会は、1955年の創立以来日本国憲法を護り生かすことを運動の指針にしてきました。私たちは、学問の自由を侵害し、日本社会の健全な発展を阻害する菅首相による任命拒否に抗議し、すみやかに推薦された105名全員を任命することを強く求めます。

2020年10月17日
日朝協会 第2回全国理事会

産業遺産情報センターでの強制労働否定の展示に抗議し、強制労働被害の実態やその証言の展示を求める

日本の安倍政権が官邸主導で推進した「明治日本の産業革命遺産」のユネスコ世界遺産への登録は、日本の明治期の産業近代化だけを賛美し、過去の侵略戦争とその下での強制労働の歴史を排除するものであった。この登録推進は、平和に向けて世界の人民の知的精神的連帯を進めるというユネスコ憲章の精神に反するものであり、また、強制労働被害者の存在を無視するものであることから、国内外で強い批判を受けることになった。ユネスコの諮問機関イコモスも「歴史の全貌を記述すべき」と勧告した。

2015年の世界遺産登録にあたり、日本政府は「(1940年代に)その意に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者等がいた」「(第2次世界大戦中に)徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じる」「インフォメーションセンターの設置など、犠牲者を記憶にとどめるために必要な措置を説明戦略に盛り込む」と約束した。

国際会議で、意に反する連行と労働の存在に言及し、犠牲者を記憶するとしたわけであり、換言すれば、強制連行・強制労働を認知し、その犠牲者を記憶する展示をおこなうと約束したのである。

しかしその直後、日本政府はこの文言は「強制労働に当たらない」と強制労働を否認した。さらに政府によるユネスコへの「保全状況報告書」(2017年)では「日本の産業を支えた朝鮮半島からの大量の労働者がいた」と表現し、「その意に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた」という表現から認識を大きく後退させた。

また、日本政府と共に登録を推進した産業遺産国民会議は、端島(軍艦島)をテーマに「軍艦島は地獄島ではない」とする宣伝を始め、端島では朝鮮人や中国人の強制労働はなかったと主張するに至った。この強制労働否定の宣伝を産業遺産国民会議専務理事として担ってきたのが、明治産業革命遺産の世界遺産登録を推進してきた加藤康子氏であり、加藤氏は内閣官房参与としても活動した。日本政府はこの産業遺産国民会議に「朝鮮人労働者を含む労働者に関する情報収集」などを委託したが、その報告書には強制労働否定の意図がみられ、強制労働被害者の証言が収集されることはなかった。

2020年6月に一般公開された産業遺産情報センターはこのような日本政府による強制労働の歴史否定の動きの結果であり、同センター長になったのは加藤康子氏である。マスコミ報道などによればこのセンターの端島炭鉱展示での元島民の証言は、端島は仲良しのコミュニティであり、民族差別も強制労働もなかったという形でまとめられている。強制労働被害者の証言の間違いは指摘するが、強制労働被害の証言そのものの展示はない。産業遺産情報センターの展示は強制労働の歴史を否定するものである。

日本政府は明治産業遺産登録を通じて戦時の強制労働の歴史を否定するに至った。しかし、そのような行為は、世界の人民の知的精神的連帯を進めることによる平和の形成というユネスコの精神に真っ向から対立するものである。また、労働を強制された被害者の尊厳を再び侵すものであり、許されざる行為である。強制労働の歴史を否定する行為は今すぐ改めるべきである。その歴史の清算なくして東アジアの友好と平和はないことを自覚すべきである。

われわれは、産業遺産情報センターでの強制労働否定の展示に抗議し、日本政府が強制労働の存在を認め、強制労働被害の実態やその証言を展示するよう求める。日本政府は世界遺産登録での国際的な約束を守るべきである。

また日本政府が「関係者間の継続的な対話を促す」というユネスコ世界遺産委員会の決議(2018年)をふまえ、強制労働被害者の団体や専門家などと対話し、産業遺産情報センターを東アジア共同の記憶センターとしていくことを提案する。


〔日本〕
強制動員問題解決と過去清算のための共同行動/強制動員真相究明ネットワーク/過去と現在を考えるネットワーク北海道/在外被爆者支援連絡会(長崎)/平和活動支援センター(長崎)/韓国の原爆被害者を救援する市民の会長崎支部/平和資料館・草の家(高知)/東アジアの鉱山史を記録する会/平和を考え行動する会/平和力フォーラム/ActNow Kanagawa/川崎・富川市民交流会/フィリピン人元「従軍慰安婦」を支援する会/平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動実行委員会/中国人「慰安婦」裁判を支援する会/日本製鉄元徴用工裁判を支援する会/ノー!ハプサ(ノー!合祀)/名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会/名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟 弁護団/在韓軍人軍属裁判の要求実現を支援する会/アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)/「植民地歴史博物館」と日本をつなぐ会/「3.1朝鮮独立運動」日本ネットワーク(旧100周年キャンペーン)/日韓民衆連帯全国ネットワーク/朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会/許すな!憲法改悪・市民連絡会/在日韓国民主統一連合/在日韓国人問題研究所(RAIK)/外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会(外キ協)/ふぇみん婦人民主クラブ/東アジア和解と平和ネットワーク/中野協同プロジェクト/子どもと教科書全国ネット21/日朝協会/ピースボート/日本キリスト教協議会(NCC)東アジアの和解と平和委員会/日本キリスト教会靖国神社問題特別委員会/日本基督教団神奈川教区社会ヤスクニ・天皇制問題小委員会/日本聖公会東京教区人権委員会/安倍靖国参拝違憲訴訟の会・東京/即位・大嘗祭違憲訴訟の会/日本の戦後責任を清算するため行動する北海道の会/ATTAC Japan(首都圏) /ベルリン女の会/Youth Forum Fukuoka/松本強制労働調査団松本強制労働調査団/日本基督教団西中国教区靖国天皇制問題特別委員会/長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会/奈良県での朝鮮人強制連行等に関わる資料を発掘する会

〔韓国〕
キョレハナ/勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会/南北歴史文化交流協会/民族問題研究所/民主社会のための弁護士会過去史清算委員会/社会的協同組合記憶と平和/靖国反対共同行動韓国委員会/全国民主労働組合総連盟/朝鮮学校と共にする人々モンダンヨンピル/平和の踏み石/太平洋戦争被害者補償推進協議会/陜川平和の家/興士團/1923韓日在日市民連帯韓日在日市民連帯/KIN(地球村同胞連帯地球村同胞連帯)
2020年7月14日

新年のあいさつ

日朝協会会員・「日本と朝鮮」読者の皆さん、友好団体の皆さん、いかが新しい年をお迎えですか。新しい年が健康に恵まれ平和に向かう年となりますことを強く願います。


昨年は日韓関係は戦後最悪の一年でした。安倍政権は18年10月の韓国大法院が下した徴用工判決に対し「1965年日韓基本条約・日韓請求権協定ですべて解決済み、韓国は国際法に反している。韓国は国と国との約束を守らない」と強く反発し、経済制裁を課し、それに対し韓国政府や国民の反発が広がり日本商品の不買運動等が広がり戦後最悪となった事態は打開されていません。マスコミの多くが安倍政権の主張に追随し、そのため「解決済みなのではないか。蒸し返すのか?」との感覚を抱いている人も多いようです。

日朝協会は、戦後最悪の日韓関係を克服するうえでも、改めて、そもそも日韓協定・日韓請求権協定とは?日韓請求権協定で何が解決され何が解決されなかったのか? 日本が韓国へ行った3 億ドル無償供与、長期低利の有償貸付は何のための供与・貸付か?

それらは日本軍「慰安婦」や徴用工に配られる性質のものだったのか? 請求権協定締結に向けた協議のなかで徴用工に対する賠償に関して何らかの合意があったのか? 等についてあらためて多くの人々とともに勉強し、安倍内閣とマスコミが垂れ流す「徴用工問題は日韓請求権協定で解決済み」の重大な間違いを多くの人たちと正していくことが求められていると思います。


戦後最悪の日韓関係を良い方向に変えていくには、韓国(そして朝鮮半島) の人々の思いを今一度知り、理解することが求められていると思います。例えば8月15 日は日本では終戦記念日とし、戦争の惨禍で何の責任のない多くの人が意に反して命を奪われた、悲惨な戦争は絶対に繰り返させてはならないとの思いを世代を超えて共有し、受け継ぐことが確認される日です(但し、公式行事では何故戦争に至ったのかという反省の上に立った、同じ過ちを繰り返させないために今を生きる者はどうすべきか、との観点が薄いようです)。 それに対して韓国では同じ8 月15 日でも光復節。36 年に渡り植民地支配を受け、国を奪われ、朝鮮の名を奪われ、学校では朝鮮語が排除され、そして宗主国の侵略戦争に徴用・徴兵で動員された等々、失った民族の誇りを取り戻せた歓びを表す日。

このような宗主国と植民地国の歴史を直視し、その時代に民族の誇りを奪われた歴史的事実や歴史認識を知り、理解することは日韓の人々の相互理解を進め、信頼・友情を高めるためにも強く求められていると思います。


日朝協会は、朝鮮半島の平和・友好に関して多くの人々が感じていること、政権の誤った態度、マスコミがキチンと伝えないこと等について、多くの人々と考え行動していきたいと思います。

日朝協会は、国際連帯そして、国内友好団体との共同、都道府県連あるいは支部と共同しながら非核平和の朝鮮半島、日朝国交正常化、安倍改憲許さない、辺野古新基地阻止、ヘイトスピーチ許さないなど在日の人々の人権擁護・差別を許さない運動等を地道に取り組んで行きます。

新しい年を迎え思いを込めたご挨拶とさせていただきます。今年もよろしくお願いします。

2020年1月1日
日朝協会 会長 宮川泰彦





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